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先生の役割と生きる力、そして人も物もすべてが教材、海外日本語教育セミナー

思うこと

何を使って、どう教えるの?セミナーの報告

こんにちは!

遅くなりましたが、10月1日に開催しました、「何を使って、どう教えるの?日本語教育セミナーのご報告をします。今回も先生方の濃厚な資料を基に、熱いセミナーになりました。

まず最初に、参加者の皆様に事前にお渡ししていた「言語ポートレート」を使ってワークショップをやることから始めました。

といっても、「言語ポートレート?なに??」と思いますよね。

そこで、私が書いてみたものをアップしてみます。

↑の人がたに色を入れていきます。

この人型に、自分の普段使ている言語を色で塗ってみるのです。

私は赤を日本語、緑を英語、茶色をウェールズ語にしてみました。

例えば、わたしはウェールズに住んでいるので、ウェールズ語も一応公用語なので、どこにいっても英語とともにウェールズ語の表記をみますので、目のなかは英語と茶色を入れました。とはいっても、仕事柄、日本語を読む機会や日本語で書くことが多いので、赤色も入れました。

日本人ということと、日本語の言葉が大好きなので、体中赤に塗りましたが、英語はへたくそなのに、毎日見る聞く話すをしているので、緑をしてみました。爆

ただし、言葉がうまくないとはいえ、頭の中と心がイギリス化してきているところもあるので(そうでないと生きられないですし。)心の中と喉、頭の中を半分強く緑で塗ってみました。

全体的に日本語の要素が強いですが、「必要だから」ということで英語が入ってきている感じですかね。


↑の絵は、

左が10歳の娘ので、右が15歳の息子のものです。

兄弟姉妹4人の中では一番日本語がわかる二人で、ウェールズ語の学校に行っているので学校の中ではウェールズ語とはいえ、それでも英語が優先的ですね。

息子は口は黄色でウェールズ語になっているので、

「なんで?」

と聞いたら

「ウェールズ語なまりだからね」

といっていました。

そして、なぜか足が日本の青なので、またまた

「なんで?」と聞きましたら、

「僕は日本人のようなサッカーのやり方をするんだ」

とのことでした。爆

そういうのってあるんですかね。

どちらとも、英語の色が多いのですが、心はしっかりと日本が入っていてちょっとうれしかったです。

視覚化するということ

言語ポートレートのワークショップをしてくださった、上野淳子先生が、

自分の子供に日本語を話せるようになってほしい理由というのは、

「彼らの人生に+になる」

「自分の日本にいる家族とはなせるようになってほしい。」

「ピアノができるようになる。。などと一緒の能力の一つになる。」

「勉強する過程も人生の+になる。」

ということが挙げられると思うけれども、

でも、こういうことって「自分だけの願い」

になってしまっていては、子供の幸せといえるのでしょうか?とおっしゃっていました。

自分や子供たちが自分達の使っている言語、コミュニケーション術を、視覚化することによって、

「日本文化に対してどう思っているのか?」

「ほかの言語に関してどんな風に思っているのか?」

などがわかりやすくなり、

子供に「日本語が話せるようになってもらいたいのは、ーーーーー言う理由なの。。」

という、もしかしたら自分だけの気持ちを、

押し付けることなく、日本語を勉強する理由をお子様に話せるようになる。。ということですね。

わたしも、子供たちが「英語しか話さない。。」とイライラするときもあったのですが、

↑の絵でわかるように、

親の私が思っているよりもずっと、子供たちは「日本人」ということを心の中にもっているようで、うれしかったです。

忍耐力と習慣つけること

言語ポートレートのワークショップの後には、ライデン大学常勤講師の山本絵美先生にお話いただきました。

1.おしえるということはどんなことか?

2.先生の役割とは?

3.子供たちの「将来のための生きる力」とは?

という濃いお話の後に、

「マルチリンガル教材」で、

1.普段の生活から

2.国語の教科書から

3.家の中から

4.社会科や理科の教材

5.現地校でやったこと

このすべてを教材にする方法や、実際に先生が使ったり作った教材例を挙げて、話していただきました。

山本先生のお話していただいたこと、全てが「うん、うん、うん、」とうなずけるものでしたが、先生が言われた中で、心に残ったのは、

「忍耐力が大事」

ということでした。

これは山本先生からの経験談ですが、長年子供たちに教えてきて、「この子は伸びるなー」と思うのは、最初にできなくても、こつこつと粘り強くわかろうとする子供なのだそうです。

そういえば、大学から始めたのにもかかわらず、いま、あるアマチュアオーケストラの第2バイオリン奏者にまで上り詰めた私の弟が言っていました。

「最初に大学に入った時には、僕が一番へたくそで、教えてくれる先輩にも誰にも相手にされなかった。とてもすじのよくてうまいひとがごろごろしていたんだけど、、そういう人は、次々に辞めていって。。大学4年の最後に残ったのは僕と何人かだったんだ。やっていればだれでもうまくなるんだよね。。うまくならないのは続けないだけなんだよ。」

と。。

まあ、これは趣味のはなしなので、自分に合わないと思うものや、好きではなかったものを続けることをしないのは別に人の勝手なので参考にはならないとおもいますが、

私には、

「自分の好きなこと」にも、忍耐力や、継続力がないので、 :mrgreen:

とっても胸に響いたんです。

今、とても便利な時代になっています。そして、ありがたいことに、いろいろなものを選べる時代にもなっています。(一部の紛争地帯は除いて)だからこそ、

「忍耐力」と「選択」の微妙な違いに気が付かないこともあります。

自分で選択したつもりになっていても、ただ忍耐力がないだけだったり。。

忍耐力がないのかな??と思って悩んでももしかしたら、そもそも自分が望んでいないことを選択していたり。。

だからこそ、最初の「言語ポートレート」を使って、子供と一緒に決めたこと(選択したこと)は親もじっくりと忍耐力をもってサポートしていってあげたいですね。

また、先生はこんなこともいっていました。

「習慣をつけることが大切」

これは、、はっきりいって大人にも言えることですね。

補習校にいっているご家庭などは、土曜日も朝6時、または5時おきだったりして、週6日学校にいっていますよね。そして、日曜日も朝からサッカーの試合だったり。。

こういった陰の努力を親も子供もしているんですよねえ。帰国子女と呼ばれる人や、海外にいながら日本にいる日本人なみに国語ができる人っていうのは。。

コツコツ、土曜日でも朝早く起きて補習校に行くことが「習慣」となってみについているんですよね。すごいとおもいます。

また夏休みでも、しっかりといつもの時間に起きて一日を過ごすというのも、習慣の一つですよね。

うちは、そんな習慣をみにつけなかったので、(すまぬ、、子供たちよ)土日は(所属しているクラブのスポーツの試合のある日以外は)ゴロゴロ寝ているので、これから何とかしないといけないなと考えておりまする。

時には、だらーーっとすることも必要だとは思いますが、このだらーーーーーを習慣付けたくないですよね。うちは習慣ついているので。。 😯

そこで、、山本先生は、「習慣」をつくるには、「えさ」も必要とおっしゃっています。

何かをしたら、何かご褒美がもらえる。。というご褒美制、「報酬制」は、

なあーーーーんか嫌な人もいるのではないでしょうか?

まあ、私はいやだったんですよ。

なんだか、「報酬がないと何もやらない人間に育ちそうで」

でも、

自分だって、ご褒美をもらうとうれしいですよね。

そうだとしたら、習慣がつくまでは、ご褒美をあげてもいいんじゃないか?って思ってきました。 😎

「この本を全部読んだら、どうしても欲しい映画を見に行ける」でも何でもいいので、

「習慣をつけることができるなら」

ご褒美制もどんどん活用するべきですね。

そして、そのうちにご褒美の種類を変えていき、勉強したことに関係のあるご褒美にしていけば、一石二鳥で持続性も尽くし、子供たちの興味も倍増しそうですよね!!

「教える」という字の意味

↑の画像は「白川静」さん(漢文学者)の常用字解からの絵での解説本で、「絵で読み漢字の成り立ち」という、金子都美絵さんという方が書いた本の一部です。

この写真にもありますが、白川静さんの常用字解からの解説本によれば、

「教える」

という字は、

「建物の中で学ぶ子供(右側)に

長老が鞭をふって、学校で学ぶ生徒たちを励ますこと」

千木のある、申請な建物と、子供、そして鞭を持つ大人で、古代中国の貴族の学校のイメージで、

ここで、長老たちが、氏族の伝統や儀礼などを教えたのだと言われているそうですよ。

今の時代に聞いたりみたりすると、「ひいいいいーーそんな強い意味があったのかいな?」

と思いますが、

まあ、あの古代中国では、貴族の子供たちが氏族の伝統や儀式を覚えることはとても大切なことで、とても厳しい作法で真剣勝負で学んでいたのだと思います。(私の想像)

まあそうはいっても、2017年の今、情報社会でいろいろなことを目にすることができ、昔なら考えられないような情報が誰にでも手に入る世の中の今は、

「教師」や「親」が教える、、というスタンスよりも、親や教師の方が「一緒に学んでいく(変わっていく)」というスタンスであることが教育の在り方に変わってきているのでしょう。

山本先生は最後に、

「教える」ということは、子供と一緒にかわっていくことで、親や教師の役割は、「梯子」をかけてあげること、子供たちに大事なのは、「将来のために生きる力」をつけてあげること。

とおっしゃっていました。

ということで、

わたしは勝手に、

教えるの右側のクロス(交差)しているところから、

「建物の中で子供に教えながら、自分の考えも子供の考えと交差させながら成長していくこと」

と、意味を無理やりこじつけてみます。 😀

教えるということは、、教わるってことでもありますからね。えっへん。

セミナーを終えて

今回も本当に内容の濃い、熱いセミナーでした。

山本先生のお話を聞いていると、いつも「言語教育」だけにとらわれない、広い視点で物事をとらえるということ、つまり、子供の言語教育という話を越えて子供の生きる力の作り方、はたまた、自分の生き方を考えさせられます。

個人的には、うちの子供たちは末娘を除き、いわゆる、「言語臨界期」(言語獲得および第二言語習得における臨界期仮説(りんかいきかせつ、英: critical period hypotheses)とは、臨界期とよばれる年齢を過ぎると言語の習得が不可能になるという仮説である。 母語の習得および外国語の習得の両方に対して使われる。wikiより

は過ぎていますし、本の読み聞かせをしてあげる年ではないので、今後、日本語に興味を引くアプローチとして、彼らの年齢にあった興味の引き方をして行く作戦 :mrgreen: をたてていこうと思いましたし、先生のお話を聞けば聞くほど、自分の子供たちは言語臨界期は過ぎてしまったけれども、年齢は関係ないんだなって思うようになりました。

(よく考えれば、わたしだって30過ぎてからなんとなく生活レベルだけの英語は習得しましたしね。。私の英語と比べられるわたしの子供も迷惑だけど。。 🙄 )

どちらにしてもですね、、

いままで、自分の子供たちの日本語教育に関して、「はれーーー」と自信喪失感が大きかったのですが、」セミナーの1回目2回目と先生方のお話を聞いてきて、

「私は私なりの子育てでよかったんだ。」

と自分の子育てを肯定できるようになってきましたよ。

これが一番の収穫です!! 😛

参加者の皆様、

セミナー成功は皆さまのおかげです。

お忙しい合間を縫って、時差にもかかわらず、たくさんのご参加を本当にどうもありがとうございました!!

山本先生、上野先生、米良先生!

今回も熱い、素晴らしいセミナーの講演をしていただき本当にありがとうございました!今後ともどうぞよろしくお願いいたします!! 😀

そしてですね、、最後になりますが、、うれしいお知らせです。

来年に、第3回セミナー(題名は未定です)も開催することが決まりました!!日時、題名はまだ未定ですが、ぜひまたご参加くださいね。

前回、今回の出席者の方々には、決まり次第、メールでお知らせをいたします。

もし、第3回のセミナーにご興味のある方がいらしましたら、コンタクトフォームにてお問い合わせくださいませ。決まり次第、ご連絡を差し上げますのでどうぞよろしくお願いいたします。

それではまた皆さまにお会いできることを心から楽しみにしています。

最後までお読み頂きまして、どうもありがとうございました。

コメント

  1. 小田島彩子 より:

    前回のセミナー、大変参考になりました。ありがとうございました。

    1月21日のオンラインセミナーへの参加を希望しています。

    • superokan より:

      小田島様、いつもどうもありがとうございます!
      後ほどご案内のメールを送らせていただきますね。
      寒くなってきましたが、お身体にはご自愛くださいませ。

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